2022年12月30日
目次
片流れ屋根のメリット・デメリット
皆さんは屋根の形状を気にしたことはありますか?
様々な屋根の中で最もシンプルな形状として知られるのが、片流れ屋根です。
片流れ屋根はオーソドックスな屋根の形状であり、様々なメリットがありますが、
デメリットもあります。
これから家を建てる時に片流れ屋根にしようか検討する場合
どんなメリットやデメリットがあるのか知ることが大切です。
それでは、片流れ屋根のメリットやデメリットについてご説明しましょう。
片流れ屋根とは?
片流れ屋根とは、一つの方向に勾配がある屋根の形状のことです。
屋根には様々な形状がありますが、その中でも片流れ屋根は最もシンプルなので非常に工事がやりやすく、
防水上の欠陥が防ぎやすいのがポイントです。
設計も実にシンプルであり、一般的に物起きや小さめの建物に多い形状となっています。
片流れ屋根のメリット
片流れ屋根のメリットは、以下の通りです。
• 太陽光発電ができる
• 初期費用やリフォーム費用が安い
• 屋根裏を広くしたい時に最適
それでは、片流れ屋根のメリットについてご説明しましょう。
太陽光発電ができる
片流れ屋根は一つの方向に勾配をつけるため、
太陽光発電に必要なパネルを取り付けやすいのがメリットです。
太陽光発電によって太陽光で電気が発電できるため、
新築を建てる際に片流れ屋根を採用して南向きにするケースもあります。
太陽光発電ができれば、日中は電気を貯めておき、
夜になったら貯めた電気を使うことができるので、
オール電化住宅にするのも良いでしょう。
効率良く光熱費が節約できることから、
片流れ屋根にして太陽光パネルを設置してみてはいかがでしょうか。
初期費用やリフォーム費用が安い
片流れ屋根は施工の際に使用する部品や材料が少なく済むため、
初期費用やリフォーム費用が安いのが大きなメリットです。
片流れ屋根のような一つの方向にだけ勾配がある屋根は簡単な設計を行うだけでいいので着工も早く、
作業工程もそれほど難しくありません。
工期も短い傾向にあることから、
新築を建てる時の工期が短くなりやすいのもポイントです。
また、シンプルな形状なのでメンテナンスやリフォームがしやすいのも見逃せません。
確かに劣化はしやすいですが、その分メンテナンスやリフォームがしやすいので費用もそれほどかからないでしょう。
屋根裏を広くしたい時に最適
屋根裏を有効活用するためにスペースを広くしたいなら、
片流れ屋根がおすすめです。
片流れ屋根は勾配がある形状なので傾斜が出せるため、
屋根裏のスペースが広くなりやすいのがメリットです。
屋根裏のスペースは収納部屋として多いに活用できるので、
屋根裏のスペースを広くしたい人におすすめです。
しかし、屋根裏のスペースを広くする時に注意しておきたいのが、
「高さが140cm未満であること」「屋根裏の面積が階下の2分の1までの広さであること」が条件となっています。
もしも条件を破ってしまった場合、
延床面積に算入することになるので満たせる条件の範囲内で片流れ屋根の勾配を調整しましょう。
片流れ屋根のデメリット
片流れ屋根のデメリットは、以下の通りです。
• 屋根や外壁が劣化しやすい
• 雨漏りのリスクが高い そ
れでは、片流れ屋根のデメリットについてご説明しましょう。
屋根や外壁が劣化しやすい
外壁や屋根は常に雨風や紫外線などの外的要因に晒され続けています。
このことから様々な方向に傾斜をつけることによって
雨風が外壁に当たりにくい構造になっているため、劣化しにくいのがポイントです。
しかし、片流れ屋根は一つの方向にしか勾配がないため、
軒先がない外壁は雨風や紫外線の影響を強く受けてしまい、劣化しやすくなります。
また、一つの方向にしか勾配がない片流れ屋根は雨水が分散せずに常に一方向にしか流れないため、
雨樋も非常に劣化しやすくなります。 換気もしにくい構造なので、
結露などで劣化が進行しやすいでしょう。
雨漏りのリスクが高い
片流れ屋根は一枚屋根なので接続部分がないため、
屋根自体からは雨漏りしにくいのがポイントです。
しかし、問題なのは片流れ屋根ではなく、
破風板や野地板の境目から雨水が伝って雨漏りが発生する可能性があります。
他にも換気口から雨水が入ったり、
結露によって雨漏りしやすくなるなど、至るところで雨漏りするリスクがあるでしょう
普通に施工すると防水性が心配なので、
雨漏り対策をするためにも防水性が高い素材を使うことが大切です。
片流れ屋根は きちんと施工していないと 雨漏りするリスクが最も高く
実際に そのまま発生件数は年々増えています
なぜ雨漏れしやすいの?!
屋根も外壁も 仕上げ材の下に 防水シートが貼ってあります
そして この防水シートの 裏側に 水が回ってしまうと雨漏りに直結します
写真のように 通常の雨だと 片流れ屋根 でも雨漏りするようなことはありませんが
例えば台風などの強風時
横殴りの 雨が降り注ぐ際は このように隙間から入ってしまうケースがあります
これは ハウスメーカーなどでは
防水シートの張り方などの明確なルールが示されているものの
明確なルールが無い 住宅メーカーや工務店は まだまだ多い印象です
これが片棟部分
ですので この隙間から 水がもし入った場合は そのまま雨漏れということになりなります
もし自宅を 片流れ屋根 で検討しているのであれば
その部分をきちんと確認した方が良いでしょう
まとめ
片流れ屋根は最もシンプルな形状なので施工費用が安く抑えられますし、
メンテナンス費用もリフォーム費用も抑えられるのは大きなメリットです。
太陽光発電に必要なパネルを設置すれば太陽光発電もできますし、
条件を満たせば安心して屋根裏のスペースを広くできるでしょう。
とはいえ、シンプルな形状であることから、
雨漏りのリスクが高い上に屋根や外壁が劣化しやすいため、様々な対策が必要です。
屋根や外壁のご相談はこちらまで
電話の方は 0463-34-3501 まで
この記事を書いた人
成田 崇
- 瓦ぶき2級技能士
- 瓦屋根工事技士
- 瓦屋根診断技士
【趣味】サーフィン・山登り・バックカントリースキー・読書・旅行
〇かわらぶき2級技能士とは?
瓦屋根工事に必要な知識と施工技術を備えていることを証する資格で、瓦職人にとって欠かせない国家資格です。 試験は学科試験と実技試験で構成されており、実技試験では実際に一文字軒瓦または万十軒瓦を使った瓦葺き作業を行い受験者の施工レベルを審査します。
〇瓦屋根工事技士とは?
国土交通大臣が認定する資格で屋根工事に従事する者として必要な瓦屋根についての適正な知識を備えていることを証する資格です。 この資格取得では屋根の施工に関する知識はもちろんのこと、建築に関わる知識、安全に関する知識、法規等、さまざまな知識が求められます。
〇瓦屋根診断技士とは?
国交省所管の公益法人(社)全日本瓦工事業連盟(全瓦連)が高い技術、技能を持つ工事技術者に対してのみ与える資格です。 この資格の取得条件はかわらぶき技能士と瓦屋根工事技士の両方の資格を備えた者となっており、国内の瓦屋根工事技術者における最上位資格といえます。