2019年04月25日
さかのぼること去年の11月
大阪府堺市にある文化財の屋根調査の依頼があった。
なんとそれは築90年、木造の洋館だという。
もちろん、現在作られている瓦とは規格が違うため
完全オリジナルで瓦の製作からはじまった。
左が陶器で今回特注した瓦
右は90年前のセメント瓦。
サイズぴったりにオーダーしたとはいえ
なかなかうまくは入らない。
そりゃ、下地の木もピッタリじゃないし当然と言えば当然。
付けては外し、削る。
また付けて、削る。
予想はしていたが
この繰り返しなので全然進まない。
ちなみにこの建物。
当時のヨーロッパと同じ工法で作られているため
野地板が無い。
野地板が無いということは
ルーフィング(防水シート)も無いわけで
瓦のみで雨水を防ぐ構造になっています。
これだけ急勾配なのでなかなか雨水は侵入しないとは思いますが。
現在の日本では野地板があるのが普通ですが
実はそれも一長一短。
この野地無し工法も同じく
一長一短なんです。
野地板が無いことにより通気性が非常に高く
90年前の建物とは思えないくらい、下地木の状態が良い。
木は空気を密閉させてしまうととても腐りやすいからなんです。
一つ一つ丁寧に瓦を留め付けていきます
何日も大阪に滞在しながらの工事。
途中で私も合流し現場の進捗状況などを確認。
ホテルで朝食をとりながらその日の工程を話し合います。
普段とは違う場所での仕事は様々な刺激があります。
リフォームとは全く違う修復という仕事。
リフォームはじ元の状態よりきれいにすることが求められますが
修復はより元の状態に近づけることが求められます。
とても大変でしたがとても楽しく
屋根に関しては半年間にわたるプロジェクトが終了したのでした。
真剣勝負の半年間
エキサイティングな仕事でした!
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成田 崇
・かわらぶき2級技能士
・瓦屋根工事技師
・瓦屋根診断技師
趣味
サーフィン・山登り・バックカントリースキー・読書・旅行
〇かわらぶき2級技能士とは?
瓦屋根工事に必要な知識と施工技術を備えていることを証する資格で、瓦職人にとって欠かせない国家資格です。 試験は学科試験と実技試験で構成されており、実技試験では実際に一文字軒瓦または万十軒瓦を使った瓦葺き作業を行い受験者の施工レベルを審査します。
〇瓦屋根工事技士とは?
国土交通大臣が認定する資格で屋根工事に従事する者として必要な瓦屋根についての適正な知識を備えていることを証する資格です。 この資格取得では屋根の施工に関する知識はもちろんのこと、建築に関わる知識、安全に関する知識、法規等、さまざまな知識が求められます。
〇瓦屋根診断技士とは?
国交省所管の公益法人(社)全日本瓦工事業連盟(全瓦連)が高い技術、技能を持つ工事技術者に対してのみ与える資格です。 この資格の取得条件はかわらぶき技能士と瓦屋根工事技士の両方の資格を備えた者となっており、国内の瓦屋根工事技術者における最上位資格といえます。
〇いらかの外壁塗装工事、施工得意エリア
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