屋根外装工事協会の定例会で建築家竹原義二さんの講演を聴いてきた
とにかくインパクトのある講演内容で衝撃的でした。
内容は「建築素材について」
簡単に言うと
「現在の建築の多くは本物の素材使っていない」
「現在の建築は手間をかけずお金を儲けることしか考えていない」
などなど我々にとって頭の痛い話でした。
ただ現在の住宅建築の中で数少ない
本物の素材を使った工事をしている工事屋の一つが屋根屋だとも。
レンガや瓦というのは本物の素材。
そう、本物の素材は時を重ね成熟した美しさがあります。
確かに石油製品の汚れって気になるけど
本物の素材「石・木・土・紙」は経年変化を楽しめるものですよね。
これらが先生の作品
方位によって外壁材の木の種類を変えているそうです。
日当たりの良い場所はなるべく反りの出にくい素材だったり縦桟を多く打ったりと工夫を凝らしています。
また中国製品は使わない、その土地のものをなるべく使うようです。
石の壁が美しい。
天然素材は手間がかかるけど一生付き合っていけるものですね。
住環境がもし欧米の影響を受けていくのであれば
スクラップビルドをやめ本物を求めていくのでしょう。
というかもともと日本の住宅はそうだった、戦前までは。
それが戦後大きく変わってしまった。簡単に言うと劣化していったのだ。
もともと日本人は美意識の高い文化を持った民族
江戸時代にゴッホやゴーギャンが浮世絵に夢中になったということが証明しています。
[カップマルタンの休暇小屋]
巨大なプロジェクトを数多く手がけた近代建築の三大巨匠でもあるル・コルビュジエが
3.66m×3.66mの8畳に人が豊かに暮らせる最小寸法を計画している
このカップマルタン小屋は茶室の影響を受けているといわれてます。
Less Is More
「 物が少ないほうが豊かだ」
この考え方ももともと日本人に備わっていた感覚。
素材を通していろいろ考えさせられた
そんな建築家竹原義二さんの講演でした。